店の隣の物陰にこっそり。
いつからあったんだろう?
しなびたあげくにすっかり朽ちてしまってます。
これが馬車になったらオンボロ。
そんな馬車には年老いたお姫様。
意地悪な姉たちもとっくにいなくなって
今はオンボロのお家で一人すす払い。
八月の鯨のリリアン・ギッシュみたいになっちゃいました。
何年待った事でしょう。
やっと舞踏会に行けます。
馬車はオンボロなのでお城まで持たないかもしれません。
見かけは白髪のヨレヨレ。ガラスの靴の中の足もシワシワ。
年を重ねて小さく小さくしぼんだ希望。
でもやっぱり心はウキウキ。
満天の星空の下、ガタゴトと馬車は走ります。
どんな出会いが待ってるのでしょうね。
ねっ、朽ちて行くのも悪くないでしょ。